事務的な仕事や家事がメインで、日頃から運動不足の人は男女を問わず該当します。
私を含め、一番多く見られるパターンでもあります。
自動車などの交通機関、エアコンなどの家電製品、携帯電話やインターネットなどのIT技術の恩恵で、
私たちの生活はとても便利で快適になりました。
一方、体を動かしたり、体温調節をする必要性は、
わずかここ数十年で激減しています。
人間は年齢とともに基礎代謝の減少と運動不足に伴い
消費カロリーが減少します。
一方、このストレスと飽食の時代を迎え、
飲んだり食べたりする機会は増え
摂取カロリーは増加します。
その結果、肥満とくにメタボリックシンドロームの原因となる 内臓脂肪型肥満に非常になり易くなります。
多くの日本人は白人とは異なり、
余分なカロリーを内臓の周りに脂肪として貯えるように遺伝的にできています。
一方、寒冷地で進化した白人は、極寒の冬に体温を奪われないように、
皮下脂肪として
貯える人の割合が多くなります。
体重100kg以上(なかには200kgを超える巨漢)の人が白人に多いのは
こうした遺伝的な背景があるのです。
ちなみに、余分なカロリーを無駄にせずに、脂肪組織に貯えておくのは、 私たちが持つ優秀な節約遺伝子の働きです。
人間の進化は約400万年もの長きに渡り、常に飢餓(キガ)との戦い
でもありました。
実際わずか50〜100年前までは、多くの人が飢えと隣り合わせの生活を送っていました。
すなわち優秀な節約遺伝子のおかげで我々の祖先は、
飢えや寒さを耐え忍び進化することができたのです。
ところが、近年の飽食の時代を迎え、私たち日本人は飢餓を経験することが無くなりました。
脂肪組織に本来ならば
飢餓に備え貯蔵されてきた中性脂肪は、全く活用されないばかりか、
不良在庫品のように悪影響さえもたらし始めるようになりました。
家庭に例えるならば、大安売りの日に大量に買い込んだ食料品が、
使いきれずに賞味期限を過ぎ、腐って悪臭を放っている状態を想像して下さい。
つまり肥大した脂肪細胞から過剰に分泌される 悪玉アディポカイン(TNF−α、IL−6など)の作用の結果、 あるいは善玉アディポカイン(アディポネクチンなど)の欠乏により、 インスリンの作用が低下し高血圧、痛風、糖尿病や高脂血症が悪化することが近年多数報告されているのです。
また最近の研究では、歯周病が悪化すると、 慢性炎症を起こした歯周組織からも脂肪組織と同様に、悪玉アディポカイン(TNF−α、IL−6など)が産生され、 糖尿病や高脂血症がいっそう悪化する 『歯周病と糖尿病の負の連鎖』も分かってきました。
恐ろしい心筋梗塞や脳梗塞を起こす動脈硬化の直接的原因は、コレステロールではなく
歯周病菌などの細菌感染による血管内壁の炎症
であると言う報告もされています。
これは心筋梗塞を起こした患者さんの血液中には
CRP(C-reactive protein:細菌感染によって産生されるC反応性タンパク)が
異常に増加する事とも関連します。
日本では『たかが歯周病、歯が抜けるだけではないか』 と思っておられる方が医療関係者を含めほとんどです。
一方、欧米先進国、特にアメリカではAAP(米国歯周病学会)が主体となり、
歯周病の全身への悪影響をさまざまな角度から検証し、
歯周病の予防や歯周治療の大切さを訴えています。
実際、歯周病の進行した歯の周りには、恐ろしい数の病原菌(多種多様の歯周病菌)が
付着しており、毒素を出したり我々の体の中に侵入して
血流に乗り全身に移動することさえあるのです。
こう書くと、古い医学知識をお持ちの方は、『体内に細菌が侵入(菌血症)しても、 免疫系の細胞(好中球など)がすぐに処理をしてくれる。それがダメでも抗生物質を使えばよいから、 心配はいらない』と思われるかもしれません。
何を隠そう、かく言う私も以前はそのように考えておりました。
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